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2007年7月過去ログ

建物探訪

2007.7.25

私の好きな動画をひとつご紹介
「建もの探訪」
http://www.youtube.com/watch?v=VAmY_DJAPFc
今日からまた一泊で埼玉K市にいってきます

鼠チェック

2007.7.24

裏庭にて死んだネズミを発見したので、アパートメントの二階共用部分に糞などの痕跡がないか、徹底的にチェックを行った
8月には旧共産圏からの初の参入となるウクライナから、女性が予約を入れている
現在、7室中、3室を女性が占めているので、ネズ君がちょろちょろしている状況にでもなれば、かなりまずい雰囲気になることが予想される
男性陣は気にしなさそうだが(それが問題なんだが)
冷蔵庫が二台もあるのに、廊下に牛乳を放置して腐らしたりとか(これは厳しく注意してやめさせた)
ネズミを呼びこむ状況を作ってるテナントたちには溜息が出そうである

ネズミが侵入しそうな穴はコーキングで全てふさぎ、(効くか効かないかわからない)電磁波・超音波を発する怪しい駆除器まで屋根裏に設置した
粘着シート、旧型のネズミ取り、これだけ揃えて安心していたので、ネズ君の死体があったことは精神的痛手、大である
ネット環境として光ファイバーを引いているのだが、これでもかじられた日にゃ、一時的に私の人格も破壊されるやもしれぬ
ネズミ一掃を誓う私はヒットラー化しているのだろうか
この際、生涯、ディズニーランドに行かないことと引き換えに悪魔と契約してもいいのだが

アート偏愛

2007.7.23

異形コレクション「アート偏愛」
飛鳥部勝則著「デッサンが狂っている」読了
チェコのアニメ作家ヤン・シュバンクマイエルの12分アニメ「対話の可能性」中の「永遠の対話」では 奇想の画家アルチンボルトの書いた肖像画が動くという悪夢のようなナマな数分間を体感できる
チェコスロバキアでは上映禁止をくらったという勲を持つ作品である

で、「デッサンが狂っている」
「アート偏愛」というテーマを忠実にトレースしてみせた、という意味では傑作である

異形コレクションはテーマ毎の当たりはずれが多く、読者としては、それさえも分析の楽しみにつなげられることが大きい
「異形コレクション 悪魔の発明」はすぐれた短編が揃いすぎていたのだが、 対照的な存在が「異形コレクション グランドホテル」ではなかろうか
同一のホテルという設定や舞台装置さえもあらかじめ決められたうえでの競作となっており、これがむずかしい宿題となっているからだ
バレンタインには特別な何かが、などという私だったらまるでやる気の失せるような縛りまで入れられているにもかかわらず、 田中啓文の名作「新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー キウイソース掛け」や 津原泰水の「水牛群」が誕生したことは驚きである

イカとクジラ

2007.7.22

ツタヤが半額セールをしていたのでノア・バームバック監督の「イカとクジラ」をレンタルした
全米が泣いた!!
いや、泣くような映画じゃないだろう
私は笑いまくりであった
夫婦そろって作家という両親が離婚したせいで、二人の子供が両方の家を行き来するというちょっと見、シリアスで深刻な内容なのだが、 この一家4人がともに、ややいびつな問題行動をとるせいで、可笑しみを誘いまくるのである
まず、女房の方が作家として売れているせいで、スランプ気味の夫はいらつき、家族でテニスに興じていても、女房に危険なスマッシュをお見舞いしたりするのである
子供の養護を半々とすることになってからも、自分の担当「パパの日」に子供が母親の方にいたがると、頑なに自分の権利を主張する
高尚な知識を有していても社会に馴染めぬ、実に大人げない親爺なのだ
苦笑しまくりである
長男といえば、ロックの名盤から盗作した曲を自曲として発表してみせたり、読んでもいない文学について他人に講釈してみせたりと、かなり嫌な人格
次男の方は、母親派だが、過度な精神ストレスがたたったせいか、小学生にして既にアルコール依存症に
学校で自慰にふけり、図書館の本だの、ロッカーに精液をなすりつけたりしておるのだ
母親も男性遍歴が止らず、息子の友達の父親との性交渉も露見してしまい、息子たちを唖然とさせるのである
おまえら、そろそろまとめて落ちつけ!!!
そう4人に叱咤激励したくなるほど笑かしてくれる映画であった

題名のイカとクジラは、(諸星先生の「私家版魚類図譜」でも取り上げられていた)死闘の代名詞=巨大生物「イカVSクジラ」のことである
後味は良くはないが自殺したくなるほどではない
人間って奴は不器用な生き物なのだと、この嫌な親爺にさえ、最後には親しみの感情が湧いてくるかもしれない

灰色毛糸

2007.7.21

最初、灰色の毛糸の塊かと思った
古いカーペットが朽ちたようなそれは、アパートの中庭に落ちていたのだが、やや異臭がした
こ、こリは
おもわず涙目になる

変わり果てた?ネズ君の死体であった
涙目になったのは、動物愛護の精神では勿論なくて、この死体処理をしなければならないオノレを哀れんだに過ぎない
半年ほど前に起きた鼠目撃騒動時に仕掛けた殺鼠剤のどれかを食ったネズ君が、ここで力尽きたという流れだと、私の脳内に住まう「隅の老人」が私に囁く
むうう
チリトリと箒で、のろのろとゴミ袋に死体を移す
ネズ君の死体の下では、もう蛆虫君が食物連鎖の輪を広げてるし

蛆君もまとめてゴミ袋に入れ、燃えるゴミの日に出せるよう、全ての処理を終えた
屋根裏などで死ななかったのは、不幸中の幸いである
2階の7部屋の天袋の上にも、ネズミの罠と殺鼠剤は仕掛けてあるのだが、テナント退去後に私がチェックするようにしている

全てはコスト削減という天命のためである
これらの作業を専門業者に依頼すれば、同じ作業だけで十万円前後かかるらしい
仕方あるまい
十万の収入を得られたとしても、これを副業にしたいとは私も思わぬからである
いつの日か、屋根裏で死体処理をしなければならない日が来るのだろうか
その時は、私の脳内恐怖物質を蓄える瓶の錆びついた蓋もゆるゆるとはずれることであろう

古家行脚

2007.7.15

不動産を見る目を養いに、泊りがけで東京近郊を旅してきます

泣き虫弱虫 諸葛孔明

2007.7.14

酒見賢一著「泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部」読了
酒見賢一の「脳内三国志ワールド」は更にノリノリに展開、セカンドを迎えた
ハリーポッターより面白いのに、世界的ベストセラーになっていないのが不思議でならない
「限定フィギィアをいくつも入手して悦に入っているような人材オタク」の曹操
「(戦さ以外の)決めるべきところでは、外さず決める天下一魅せる男」劉備(流し目得意)
そして「宇宙レベルの人外魔境 ヒト型殺人兵器」である張飛翼徳、放火マニアとなった「ぐんしー」孔明の変態ぶりも健在である
ベストセラーコミック20巻分の至福を、あなたに約束しよう

第壱部を読んだのが2005年5月
「めもりある」という過去コンテンツで書いた感想は以下の通り

あまり、この題には、とらわれぬほうがよい
実に楽しい三国志ワールドガイドブックである
三国志オタクはもとより、初心者もかなり楽しめるはず
というのも、たとえばNEWSの山下智久以外のその他大勢の顔と名前がわけわからんあなたでも、劉備玄徳を見間違えることはないからである
両耳が肩まで垂れ、両手は膝の下まで届いてた、なんて殆ど未確認生物に近いヒトに、あなたは今まで会ったことがあるだろうか
そもそもこんな濃ゆいvisualからして、つっこみどころ満載の三国志の謎に焦点を当てたのがこの一冊なのだ
大雑把すぎる
細やかな日本人がつねづね疑問に感じていた三国志の水先案内としてこの書があるといっても過言ではない
読み終わるまで笑いがとまらんかった
最後まで諸葛孔明について触れなくて申し訳ないのだが、酒見版では殺人嗜好者 張飛翼徳のファンになった
呵呵大笑とか怒髪天を衝くなんて、使いたくても現代日本では難しいものがあるのだからして

幽霊アパート2

2007.7.12

(下記からの続き)「世にも奇妙な物語」や「呪怨」のロケーションにぴったりな物件と書いたのだが、霊の気配を感じたわけではない
2階に最後までいた入居者は高齢の婦人だったそうだが、管理人兼不動産の親爺に言わせるとすごく綺麗好きな人で、共用部をいつも掃除してくれていたらしい
経年による汚れやレトロな雰囲気が満載なだけで、この物件から「怖い」だとか「陰惨な」気配を感じることはなかった
一番奥の部屋のみ屋根の雨漏りがひどく、(工事の手が入る直前には、ついに)キノコが出現したくらいである

結論から言うと、私の好きなレトロな部分の良さを残した改装工事は実現できなかった
もう、ホラー映画に使ってもらえそうな現場はなくなってしまったし、最初の野望・計画からは180度ずれている
ただ、外国人限定アパートメントで再起動して数ヶ月経った頃、以前の住民が友達を連れて訪ねに来たことがある
20代後半くらいの女性で、このアパートはセカンドハウスとして利用していたのだという
友達が部屋を探していたので、空きがあれば借りたかったらしい
窓からの風が、とても気持ちがよかった、と彼女は話していた

今、アパートは20代前半の若者が多く生活する、賑やかで若やいだ空気を醸し出している
建物そのものに意識が存在するのであれば、かつてない状況に驚いているかもしれない
そして、これが最後の奉公になるだろうが、彼が喜んでいるように感じてしまうのは、おそらく私の感傷のせいなのだろう

幽霊アパート

2007.7.11

「サルベージ」の感想に触れたついでに、(現在は)外国人限定アパートメントとなった古家を初めて見た時の印象についても書いておく
これは両親の所有物件であったが、関心ゼロだったので今まで足を踏み入れたこともなかった
バブル期には、それなりの立退き料をもらわないと退去しないぜよといきまいていた伝説の三婆、1Fの居酒屋経営の女性店主たちも 「寄る年波には勝てない」というセオリー通り、売上も落ちこみ、老齢となったがために、次々と古戦場を去ることとなった
2Fの方は?といえば、アパート部分もかなり老朽化しており、安さ第一主義のテナント様がポツンポツンと入居されている状態であったが 不動産屋には1Fの退去に合わせ、もう新たな募集は止めてもらうよう頼んであった
そのうちに、絶滅危惧種のような入居者たちは、あれよあれよと自然消滅していき、或る日、誰もいなくなってから、私は初めてこの異界へと足を踏み入れたわけである
もう売ってしまうのか、建替えるのか、それとも放置プレイか、不動産屋の情報も仕入れつつ、見極めを報告せよ、という父親の命を受け、(単に彼は経済行動が面倒だっただけなんだが)初めて訪れたのが昨年であった
映画「呪怨」のロケにぴったりじゃん!!と思ったのが最初の第一印象
不動産屋は地元の高齢でタフで、したたかな爺様なのだが、もう壊して売るしかない、と断言してみせた
そんな、もったいない、ほれ、こんなにホラー映画にぴったりのセット環境なのに

一階の女店主たちが退去する時も、現状復帰のカウンターや看板を撤去する義務があったのだが、甘ちゃんの私は何十年も家賃を払っていただいた方達にそれは要求しなかった
老獪なる不動産屋から見れば、赤子のようにくみ易しと見えたことであろう
(この不動産屋から紹介された人物が実家にこの物件を買いたいと来たこともある)

私がリノベーションを考えようと思ったきっかけは、映画「呪怨」のロケに最適なので壊したくないという変な理由からであった(以下続くのか?)

古物業者ウォッチング

2007.7.8

不要品は二種類のリサイクル業者に引きとっていただいた
一つは民間、もう一つは障害を持っている人たちへ働く場を提供しているNPOのそれである
それぞれの仕事ぶりについて関心があったので、二箇所から来てもらったのだが、民間の方はヤフオクにもストア出店している業者なのである
骨董・絵画についてどのくらい目利きなのか確かめてやろうと思ったのだが、「なんでも鑑定団」のレベルにはほど遠いようだった
それなりに面白い話も聞けたのだが、カーナビの入力を間違えて1時間の遅刻、それから長々、薀蓄話や世間話が始まって、おいおい、いったいいつ帰るんだよ?とうんざりしてしまった
お客本位体制で考える商習慣などないようで、この人は普通の会社勤めなどしたこともなく、この業界に参入したのでは、と思われる
その点、NPOの方たちは、選別をしない(家具は引き取らないとか、ある程度の方針は持っている)もので実に素早いお仕事ぶり
雀の涙ほどのお金で、こんな時間の無駄をさせられるなら、次回からNPOの方にお願いしたいと思う

ユニクロが自社製品に限りリサイクル回収を行っているのだが、この際ユニクロ製品だけなどとケチ臭いことを言わず、ノウハウを積んだら子会社でも立ち上げて、リサイクル業にも参入してはどうだろう
世界の難民の方への救援物資として果たして古着が有効なのか?という問題もあるし、リサイクル事業なんてものはコスト的には、野菜と同じで送料をかけずに地産地消するに限るからだ

棚織津女

2007.7.7

平山夢明著「怖い本2」「つきあってはいけない」読了
3冊通して読んでみて、私の個人的な恐怖のフラグがオンにはならなかっただけで、決してつまらなかったわけではない
たとえば、「怖い本1」の「ヴァンパイア」
アメリカ横断ぶらり旅を敢行した日本人旅行者が、旅の途中で拾ったハイカーの実家、アトランタのお屋敷に寄った時の体験が書かれている
アダムスファミリーのようなサイコチックな家族構成も楽しく、(勿論、実際に遭遇するのは嫌なんだが)是非ジョージア州の闇のガイドブックに載せていただきたい
この日本人旅行者が車で、屋敷からの撤収を開始したところ、畑のまんなかで黒人の赤ん坊の足をもった一家の祖父が待ち構えているくだりがある
このイカレ爺を轢き殺すことも考える主人公なのだが、これは正しい
日本人は平和ボケしているのでこのへんの野生の勘というか条件反射が鈍っているのだ
そういった訓戒というか、自分の危機管理意識を高めるためには、3冊ともおすすめである

アパート賃貸業を始めた身としては「怖い本2」の「サルベージ」も面白かった
殺人事件などのあったいわゆる事故物件て奴を、優良物件に再生させる不動産ロンダリングの方法が記されているのだ
こういった物件は、重要説明事項として仲介不動産が入居者に告知しなければいけないことになっているのだが、告知義務は2回までとなっている
つまり、2回転がせば、普通の物件として返り咲けるのだ
法人貸しなどもよく使われる手であるらしい
事故物件専門のこの道18年のベテラン不動産業者が語る業界裏話なのだが、この人のいでたちが、白のベンツにローレックスというのが気になった
自分の持ち物件がこういう状況となった場合、自分でなんとかせずに業者に丸投げしている大家がいかに多かったか、という結果なのだね、これは
本には記載されていなかったが、事故物件は部屋での死亡に限られるので、マンションからの飛び降り自殺などの場合は、これには該当しない
まあ人間、誰でもいつかは死ぬんですから

怖い本

2007.7.6

平山夢明著「怖い本1」読了
暑っちいんだよ!!
で、自分以外のエネルギーを使わずに涼しくなろうとしただけなんだよ
「蘆屋家の崩壊」の最終章「水牛群」では、脳内恐怖物質を蓄える瓶の蓋を求める主人公が登場するわけだが、私の蓋はなにやら錆びて開かなくなっているのかもしれぬ
幼少の頃は、実家に飾られた人形や絵画にも脅え、夜見上げる天井にも目をつむっていたほど過敏だった神経は何処へ消えたというのだろう
そんな生活を取り戻したいわけではない
ただ、もっと怖い話しを
暑苦しい夏の夜はまだまだ続くのだから

発掘王

2007.7.5

リサイクル業者が第一段の不要品を引き取りに来ることになった
実は実家の山のように積まれた着物類・衣類・変な石の置物・中国製の巨大花瓶その他もろもろの整理も考えているので、良き業者であれば、そちらもお願いしようかと思っている
それにつけても、人間ちうやつは、日々の生活を営むだけで、ほんと垢のようにさまざまなものが付着していくものだなあ
夏の大掃除と壁紙の張り替えも考えているので、ちょうど良い機会かもしれない
不思議なもので整理しだすと、こんなものが?という品がまるで魔法のように次から次へと出てくるものなのだ
自宅にいながらにして、タイムカプセル状態だった品々を発掘している
そういえば、金貨もあるはずなのだが、これは何処に消えたのだろう

わがチョンキンマンション

2007.7.4

新しいテナントが相次いで入居を済ませ、計13室全てが稼動中である
1FはN県の大学院からやってきた企業研修中の学生が4室を占め、極楽とんぼなヘムレンさん以外は皆、夏だというのに額に汗して働いているのだ
1・2F含め、エジプト・スウェーデン・シンガポールと、ますます国際色が豊かになってきた
今月末には半数をフランス国籍に占拠されるのだが、仏語が飛び交う状況をクールなマルセイユ源氏が喜んでいるかはわからない

そうそう、1Fをオープンして、うちのアパートメントの人気は確実に上昇したように思う
ネットで海外からも予約ができるようになっているのだが、ビジュアル的にかわゆい1Fが広告搭の役割を担い、すぐ埋まるようになったのだ
採算から言えば、2Fよりは効率は悪いが、改装して良かったのだろう
1Fの6室につられて、今まで並の人気であった2Fの人気も出てきたのだ
2Fの方が家賃は安いし、窓からの風や日光も気持ちよい
逆に1Fはそれぞれの部屋は広くとっており、フローリングや壁紙も全て新しくなっている
どちらがいいとも言いきれないし、それぞれ欠点もあるわけだが、私が悩んでいるだけで、入っている当事者たちはそれほど深くは気にしていないのかもしれない

蘆屋家の崩壊

2007.7.3

津原泰水著「蘆屋家の崩壊」読了
装丁の美しい本がたまらなく好きだった時期がある
たとえば実家からパクってきて、そのまま自分の物としてしまった澁澤龍彦の「長靴をはいた猫」(これは訳)だとか「世界悪女物語」
幼少からの願いはただ一つ、本屋さんになることであったが、決して書店経営に携わりたかったわけではない
自分が選んだ美しい書物群を並べる器が欲しかったに過ぎない
いやらしいやっちゃなあ
そんな野望はもう欠片も残っていないけれど、やっぱり本を消耗品とは扱えない自分がいる

で「蘆屋家の崩壊」
これも装丁にこだわりを感じる
上質の短編は、読み直すと別の風景が見えなくてはいけない
初読と再読で別々の味わい、驚き、発見があることこそ、読書の醍醐味であろう
「蘆屋家の崩壊」を読んだせいで、一度決意した手放すことにした本のリストがまた狭まりそうな嫌な予感

四畳半奪還計画

2007.7.2

ちなみに「四畳半襖の下張り」とは
永井荷風の作と伝えられるポルノ小説で明治の三大発禁本の一つ


と、そんな豆知識は置いといて、わが「四畳半奪還計画」(不要品の廃棄により、四畳半の空間を取り戻す計画)の進捗報告である
まず、ヤマハの古ピアノについてだが、業者がピアノ配送業者を指定して、あっという間に持っていってしまった
中国へと渡ることになるかもしれない私のピアノに、少し感傷的になる
(ジェーン・カンピオン監督の「ピアノレッスン」のように船が沈み、波に朽ちてくれないかなあ、と意地悪な夢想までしてしまう)
元の主人よりは、ましな才のあるお子のお役に立ってくれることであろう
ピアノの運搬で感じたのが、生き馬の目をぬくような合理化の流れちうやつを、きっぱりと拒否している点である
ロボットを使うでもなく、相変わらず人力を100%駆使して運んでいるのだ
柔道の帯のようなものを、くるりと体、そしてピアノに巻きつけて、200キログラム超の重みをたった二人が黙々と運んでいくのである
(やまんぶかと思ってしまった)

週末までには、ドレッサー・ギター類・ステッパー・シュラフ、その他もろもろ、廊下に積み上げた不要品を別の業者が運び出す算段となっている
不要本の選出はそれ以降、最後の作業となるだろう

病の世紀

2007.7.1

予定は未定、決定に在らず
病院に一族郎党が集結し、担当医師から説明を受け、皆がそれなりの覚悟を決めた翌日から、母親の容態は急に舵を善き方向へ気まぐれの風とともに変更したのであった
岸辺からの呼びかけが聞こえたせいかはわからない
が、本来であれば、私などよりはずっと生命力の強い人間なのである
まだ、完全にこちら側へ戻れたとも言いきれてはいないのだが、私もサイトでの呟きを休むことなく、もう少し続けてみよう、と思った次第である

牧野修著「病の世紀」読了
面白い
「スイート・リトル・ベイビー」「アロマパラノイド」「病の世紀」
三冊ともに力作だとは思うが、私はこれが一番楽しめた
危ないおヒト、小森女史のキャラが良い
というか、高校生の頃、こういうタイプの友達がいたのだ
強すぎる自意識の虜となり、自分の理解者をどんどん減らしていくタイプの人間
だが、牧野修はそういう人間を揶揄しているわけでもなさそうだ
このへんの包容力が、私にとってのこの作家の魅力である

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